「美は国境を越えて2025」水墨画ライブペイント|小林東雲先生が金屏風に描いた松と梅【動画連動】
国際公募展「美は国境を越えて2025」(国立新美術館)の表彰式で、小林東雲先生が行ったライブペイントを紹介します。金屏風に、左に梅、右に松を配した山水画を描き上げるまでを、4分38秒の動画と見どころで解説します。

2025年2月1日、国立新美術館で開かれた国際公募展「美は国境を越えて2025」の表彰式で、主催する国際墨友会の会長・小林東雲先生(こばやし とううん)が、金屏風に山水画を描くライブペイントを行いました。左に梅、右に松を配した構図で、最後に落款(らっかん。作品に入れる作者の署名)を入れて仕上げています。
その様子は、国際墨友会のチャンネルで4分38秒の動画として公開されています。この記事では、展覧会の概要とあわせて、動画に沿って制作の流れと見どころを紹介します。
この記事で分かること。
- 金屏風に描かれた山水画の構成
- 「美は国境を越えて2025」の会期・会場・主催
- 左の梅から右の松へ描き進める制作の流れ
- 金地に墨で描く見どころと、松と梅の取り合わせ
金屏風に描かれた山水画|左に梅、右に松
金屏風(きんびょうぶ)は、金箔(きんぱく)を貼った屏風です。このライブペイントでは、舞台に立てた金屏風に、墨で山水画が描かれました。
画面の左には梅、右には松が描かれています。左の梅は、太い幹を大きく曲げながら、枝を横へ張り出しています。右の松は、枝の先に松葉の茂みを重ねています。最後に、画面の左端へ落款が入ります。
「美は国境を越えて2025」とは
「美は国境を越えて」(英語名 Art Beyond Boundaries)は、国際墨友会が主催し、東京・六本木の国立新美術館で開かれている国際公募展です。2025年の会期と会場は次のとおりです(国立新美術館 アートコモンズ)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 国際公募展「美は国境を越えて 2025」 |
| 会期 | 2025年1月23日(木)〜2月2日(日) |
| 会場 | 国立新美術館 展示室2A(東京都港区六本木7-22-2) |
| 主催 | 国際墨友会 |
| 作品ジャンル | 絵画・立体(彫刻・工芸・陶器) |
小林東雲先生は自身のサイトでも、この展覧会を「私の主催する公募展」として紹介しています。墨絵を中心とした展覧会として始まり、交流が広がるにつれてジャンルや国を越えて作品が集まるようになり、今ではアジア・太平洋地域だけでなく欧州からも出品があります(小林東雲先生のサイト)。
表彰式のライブペイント|金屏風に向かう小林東雲先生
ライブペイントが行われたのは、会期終盤の2025年2月1日に、国立新美術館で開かれた表彰式です。
動画では、小林東雲先生が立ったまま腕を大きく使って線を引き、画面の下の方は身をかがめたり膝をついたりして描いています。マイクを片手に持ったまま筆を運ぶ場面もあります。
動画で見るポイントは、金屏風の左から右へ、梅から松へと描き進める流れです。動画は4分38秒にまとめられていて、説明文によると音楽は RYU ITO です。国際墨友会のチャンネルでは、2026年9月時点で2万回以上再生されています。
制作の流れ|左の梅から右の松へ
この動画にはチャプターが付いていないので、ここでは動画の前半と後半に分けて紹介します。
前半:左の梅
前半は、画面の左側に向かいます。太い幹を大きく曲げながら引き、枝を横へ張り出させたあと、細い枝を何本も引き足していきます。
後半:右の松
後半は、画面の右側へ移ります。枝を描き足し、枝の先に松葉の茂みを重ねていきます。
仕上げ:落款
最後に、画面の左端に落款を入れて仕上げます。
見どころ|金地に墨、松と梅の取り合わせ
一つ目の見どころは、金箔の地に墨が重なっていく様子です。濃い墨の太い線と淡い墨の面が、金地の上に少しずつ広がっていきます。
二つ目は、松と梅の取り合わせです。松と梅は、竹とあわせて「松竹梅」と呼ばれます。三つとも寒さに耐えることから歳寒三友(さいかんさんゆう)ともいい、めでたいものとして慶事に使われてきました(デジタル大辞泉「松竹梅」)。
三つ目は、全身を使った制作です。大きな金屏風に向かって、立って腕を大きく使う場面と、かがんで画面の下の方を描く場面のどちらもあります。机の上の紙に描くのとは違う、ライブペイントならではの動きが分かります。
梅の枝の描き方は梅の描き方で、山水画の基本は山水画の描き方で紹介しています。
2026年のライブペイントと関連記事
翌年の「美は国境を越えて2026」の授賞式では、小林東雲先生が白い屏風に富士山と松を描きました。その様子は「美は国境を越えて2026」水墨画ライブペイントで紹介しています。2年分を並べると、次のようになります。
| 項目 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 実施日 | 2025年2月1日 | 2026年1月31日 |
| 会場 | 国立新美術館 | 国立新美術館 |
| 描いた画面 | 金屏風 | 白い屏風 |
| 描いたもの | 左に梅、右に松の山水画 | 松・岩・水辺・遠景・富士山・月の山水画 |
| 動画 | 4分38秒 | 15分46秒(チャプター付き) |
この2025年の動画は、「美は国境を越えて2026」への出品体験談の記事(鵺とコカトリスで挑んだ公募展出品体験談)でも紹介しています。
よくある質問(FAQ)
「美は国境を越えて2025」はいつ、どこで開かれましたか?
2025年1月23日から2月2日まで、東京・六本木の国立新美術館(展示室2A)で開かれました。主催は国際墨友会です。
ライブペイントはいつ行われましたか?
2025年2月1日、国立新美術館で開かれた表彰式で行われました。
ライブペイントでは何を描きましたか?
金屏風に、左に梅、右に松を配した山水画です。最後に、画面の左端に落款を入れました。
動画はどのくらいの長さですか?
4分38秒です。説明文によると、音楽は RYU ITO です。
2026年のライブペイントとは何が違いますか?
2025年は金屏風に松と梅を、2026年は白い屏風に富士山と松を描きました。どちらも国立新美術館で開かれた式典でのライブペイントです。
松と梅の取り合わせには、どんな意味がありますか?
松と梅は、竹とあわせて「松竹梅」と呼ばれます。三つとも寒さに耐えることから歳寒三友ともいい、めでたいものとして慶事に使われてきました。
まとめ
- 2025年2月1日、「美は国境を越えて2025」(国立新美術館、1月23日〜2月2日、主催 国際墨友会)の表彰式で、小林東雲先生が金屏風にライブペイントを行いました。
- 描いたのは、左に梅、右に松を配した山水画です。前半で左の梅、後半で右の松を描き、最後に左端へ落款を入れています。
- 松と梅は、竹とあわせて松竹梅と呼ばれるめでたい取り合わせです。翌年(2026年)のライブペイントと見比べるのもおすすめです。
金地に墨が広がっていく様子を、動画でご覧ください。
墨絵アーティスト・カリグラファー 西洋カリグラフィーと墨絵を融合させた独自のスタイルを確立し、文字と線、余白が響き合う作品を制作しています。この東西の技法の融合により、文化の境界を越えた新しいアートの可能性を探究しています。 現在は国際墨友会理事として活動し、Art Beyond Boundariesでは審査員特別賞「三田村有純賞」を受賞しました。伝統を大切にしながら、現代に生きる墨絵の表現を世界に向けて発信し続けています。